連日お腹の調子が悪くなりトイレで自分のベンを確認したら真っ黒になっていました。すぐに病院で診断してもらったらピロリ菌に感染していることがわかりました。今回はピロリ菌に感染していることがわかってからピロリ菌除菌までの日数などの体験談をまとめました。ピロリ菌に感染していることがわかったけど不安を抱えている方の参考になれば幸いです。
そもそもピロリ菌とは


ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)はヒトなどの胃に長年生息し続けている細菌です。ピロリ菌は多くの人が感染していると言われますが、感染している全ての人が症状を感じるわけではありません。
ただし、胃の不調や慢性的な胃の痛みが続く場合は、ピロリ菌検査を受けて治療を行うことが推奨されています。治療は通常、抗生物質と胃酸を抑える薬を組み合わせて行われます。
ピロリ菌の影響
ピロリ菌は胃の中で炎症を引き起こすことがあるため、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんのリスクを高める原因の一つとされています。そのためピロリ菌の検査をしないままだと、気がつかないうちに胃がんが進行してしまっている可能性があります。
ピロリ菌は胃の中の尿素を分解しアンモニアを作り出します。アンモニアは胃粘膜に悪影響を及ぼし、その状態が長期に渡ると慢性胃炎を引き起こします。(ピロリ菌が胃酸がある胃の中で生息できるのは、アンモニアがアルカリ性であり胃酸が中和されるため、ピロリ菌の周囲が胃酸から守られるためです。)
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌の感染は完全に解明されていませんが主に免疫力の低い5~6歳以下の幼児の頃に、生水(おもに井戸水)や食べ物また経口感染(口を通じての感染)によって感染すると言われています。
ピロリ菌は、大人から大人へ感染することはないと言われています。理由として、大人になると幼児の頃に比べて免疫力が高まるためピロリ菌が感染しなくなると考えられています。
ピロリ菌の検査方法
ピロリ菌の感染を確認するためには、以下のような検査方法があります。
- 尿素呼気試験
- 呼気中の二酸化炭素濃度を測定することで、ピロリ菌の有無を確認する方法
- 血液検査
- ピロリ菌に対する抗体を調べることで、過去または現在の感染を確認する方法
- 便検査
- 便の中のピロリ菌抗原を検出することで、感染を確認する方法
- 胃内視鏡検査(生検)
- 内視鏡を使って胃の粘膜を直接観察し、組織を採取してピロリ菌の有無を確認する方法
- この方法は正確ですが、他の検査と比べるとやや負担が大きい
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌の除菌治療(除菌療法)は、通常「三剤併用療法」と呼ばれる治療が行われます。
- 三剤併用療法:2種類の抗生物質と1種類のプロトンポンプ阻害薬(胃酸の分泌を抑える薬)を1日2回、7日間から14日間一緒に服用します。
- 抗生物質クラリスロマイシン(Clarithromycin)、アモキシシリン(Amoxicillin)など
- プロトンポンプ阻害薬(PPI):オメプラゾール(Omeprazole)など
ピロリ菌は胃酸の強い酸性環境に耐えて生息するため、胃酸の分泌を抑える薬を使って胃酸を減らすことで、抗生物質が効きやすい環境を作り出します。
ピロリ菌に感染しているとわかるまで
おなかの調子がおかしくなった
仕事のストレスにより連日お腹の調子が悪く、便はみずみずしくトイレにこもる時間が増えていました。私は学生の頃からおなかが弱かったので、いつも来るおなかの調子の悪い時期なのかなと思っていました。
ある時、便を流した時に流れていく便を見た時に「なんか黒くね?」と思いました。自分の知っている便の色ではなかったので、改めてトイレをしたときに流す前の便を確認しました。すると便の色は真っ黒でした。深緑をさらに深くしたような黒色で、まるで炭のような黒色でした。
すぐに消化器内科を探して受診しました。
初診:問診、触診、血液検査
消化器内科の先生に現在のおなかの調子と便の色が黒くなっていることを説明しました。その後、触診を行い血液検査を行いました。その日はそれで終わり、2週間分の薬(整腸剤と痛み止め)をいただきました。
血液検査の結果が出るまで数日間待つ必要があった、薬が無くなった時に来院するように指示をいただきました。
2回目の受診:血液検査結果
初診の際にいただいた2週間分の薬(整腸剤と痛み止め)が無くなったので、血液検査の結果を聞くためにもう一度消化器内科へ行きました。血液検査の結果は忘れましたが、感染症の数値が平均値よりも悪かったです。
先生からピロリ菌に感染している可能性があるというお話を聞き、胃カメラで検査するために次の週に再度来院してほしいとの指示をいただきました。胃カメラ検査を行う際の注意点や手法の説明を聞き自らの意思で胃カメラ検査を受けることに同意しました。
胃カメラ検査を受ける注意点は以下の通りでした。
- 食事は検査の12時間前まで
- 検査12時間前から摂取していいのは水のみ
- 検査の2時間前からは断水
3回目の受診:胃カメラ検査
先生から改めて胃カメラ検査前の説明を受け、胃カメラ検査を受けました。
ベッドに横になり麻酔と点滴を打ってもらい準備開始。麻酔の効果に興味があった私はギリギリまで耐えてみよう!そう思い、ワクワクしながら待っていました。仰向けから一度横を向くように指示を受け、担当の先生からの挨拶がありました。
- 先生:今日はよろしくお願いします。もう少しで準備が終わりますので少々お待ちください。
- 私:はい。ありがとうございます。
- 先生:は~い。検査が終わりましたよ~。
「えっ?いつ始まった?いつ胃カメラ検査を受けた?」となりました。胃カメラの検査を記憶がなく麻酔の効果はすごいと思いました。苦痛を感じなく感覚としてはすぐに終わったのはとてもありがたいです。麻酔は治療の為など良いことに使われるのはとても素晴らしいことですが、もしも悪用する為にされるのであれば恐ろしいとも思いました。
検査後、診察室に入ってみると胃カメラ検査で撮影した胃の画像がすでにありました。いろいろと説明を受け、ピロリ菌に感染していると診断されました。ピロリ菌についての説明を簡単にしてもらったのでショックなどは全くありませんでした。衝撃で言うと「風ですね」ぐらいの感覚でした。
ピロリ菌の説明を受けたあとはピロリ菌の除菌についての説明を受け、ピロリ菌の除菌治療に同意して薬を処方してもらいピロリ菌除菌をスタートさせました。
ピロリ菌除菌治療の流れ
ピロリ菌の除菌治療は飲み薬を1週間(朝晩食後に飲む)飲み続ける三剤併用療法でした。薬を飲んでいる1週間は刺激物やアルコールは禁止。カフェインは少量ならOKですが、飲みすぎないようにしてくださいとのことでした。
三剤併用療法の終了後(飲み薬を1週間飲み続けた後)2ヶ月間をあけてからピロリ菌が除菌できているか検査を受けに来てほしいとのことでした。ピロリ菌が除菌できたかの検査方法については尿素呼気試験を行うと説明をしてもらいました。
三剤併用療法中の1週間、特に何か厳しいことや辛いと感じることはありませんでした。処方してもらった薬の副作用も特になく普通の日常生活でした。
ピロリ菌の薬を飲んだことのある人に聞いたら、「とてもしんどかった。調子がおかしくなった。」と言っていましたので、人によって薬の反応が異なるので絶対しんどくないというわけではないので注意してください。
1週間が過ぎると今まで通りの生活を送ることができ何にも感じていませんでした。2ヶ月間をあけてから改めて消化器内科を受診しました。
ピロリ菌除菌治療の成功率と副作用
除菌治療の成功率は、1回目で約70〜90%とされています。
もし1回目で除菌に失敗した場合、別の抗生物質を使った「二次除菌治療」が行われます。副作用としては、下痢、腹痛、味覚異常などが一時的に現れることがありますが、重大な副作用は稀と言われています。
ピロリ菌を除菌することで、胃炎や胃潰瘍の改善、さらには胃がんのリスク軽減につながるため、感染が確認された場合は除菌治療が推奨されています。
除菌後の検査と結果
ピロリ菌が除菌できているかどうかは尿素呼気試験で確認を行いました。
尿素呼気試験を受ける注意点は以下の通りでした。
- 検査の前日から断食
- 当日2時間前から断水
尿素呼気試験は薬を飲んで数分待ち検査用の袋で呼吸をするという検査で、検査時間は約30分ほどでした。
検査を終え1週間後に結果を聞きにくるように説明をしてもらい、1週間ドキドキしながら待っていました。
尿素呼気試験から1週間が経ち結果を聞きに消化器内科へ行きました。結果は無事ピロリ菌除菌成功でした。検査結果の数値を説明してもらい無事終了。ただし、1~2年ごとに定期的に胃カメラ検査を受けた方がいいと先生に指示をもらいました。
ということで1~2年の定期健診を残してピロリ菌の除菌終了。
ピロリ菌除菌ができていなかったらまた2,3ヶ月かかっていたと思うと正直しんどいなと思います。治療が辛いとかは全くありませんが、時間がかかるという精神的なしんどさがあったと思います。
ピロリ菌に感染していたら家族に確認するのがおすすめ?


ピロリ菌に感染していたら家族に確認するのがおすすめです。
その理由はピロリ菌の感染経路が関係しています。ピロリ菌の感染経路は「主に免疫力の低い5~6歳以下の幼児の頃に、生水(おもに井戸水)や食べ物また経口感染(口を通じての感染)によって感染する」と言われています。そのため自分の親や周りの人がピロリ菌を持っており、その人から感染した可能性があるからです。
私は親に確認したところ、母親のお兄さんがピロリ菌除菌の経験があり、私の話を聞いた後日母親も検査したところピロリ菌に感染していることがわかりました。
母親もピロリ菌除菌をして無事にピロリ菌を除菌することができました。
もしも自分の家族がピロリ菌に感染している話を聞いたら検査を受けてみることをおすすめします。また自分が感染していることがわかれば家族に検査を受けることを勧めてみてください。
まとめ
私がピロリ菌の除菌にかかった費用と日数(スケジュール)は以下のとおりです。
- ピロリ菌発見〜除菌までの期間は4ヶ月程
- 2024年5月:受診1回目(問診、触診、血液検査)
- 2024年6月:受診2回目(血液検査の結果)
- 2024年6月:受診3回目(胃カメラ検査)
- 2024年6月:受診4回目(胃カメラ検査の結果、ピロリ菌除菌の開始)
- 2024年9月:受診5回目(ピロリ菌除菌検査)
- 2024年9月:受診6回目(ピロリ菌除菌検査の結果)
- 除菌治療は1回で成功
- かかった費用は合計7000円程
ピロリ菌について詳しく知りたい場合はこちら(おなかの健康ドットコム)
残っている謎
ピロリ菌の除菌を行ってから特に調子が良くなった!など何も感じてはいません。ただ気持ちとして、自分のマイナス部分が抑えられたということはとてもプラスに感じています。ピロリ菌の除菌をせずに何か身体によくないことが起こってからでは遅いですからね。
ここで1つ残っている謎があります。それは「なぜ便が黒色になったのか?」。
ピロリ菌についていくら調べても黒便になる等の記述は見当たらない。ピロリ菌に感染したから黒便になるのであれば私の便は幼児の頃から黒便になっているはず。なんで私の便は真っ黒になったのか?
考えられるのは「ストレス」だと思います。私はストレスの反応が身体に出やすいので今回は黒色の便という形で私にストレスを受けていることを教えてくれたのかなと思います。
黒便が出た結果として、ピロリ菌の感染、ピロリ菌除菌ができたは良かったと思います。
また、自分がピロリ菌に感染していることを親に話したところ親も病院に行き、ピロリ菌に感染していることが分かりました。その後、無事親もピロリ菌除菌することができました。
結果としては良かったです。早期発見早期治療が一番ですね。
【関連記事】(これも見てね)

